似たような発音の言葉に「ボッチ笠」があります。
いずれも、かぶりものとしての笠ですが、前者は雨用でハチクの皮を使ったおさえ笠、後者はイグサを使った日除け用の編み笠です。安房地方では先日紹介した「ケダイ」とともに農作業時の雨具として使われていたものです。
材料のハチクはマダケ属(他にモウソウチク、マダケ、ホテイチク、クロチク)ですが、皮にはモウソウチクに見られるような黒い斑点文様がなく、薄い桃色をしています。この皮は竹が数メートルにまで伸びてから地上に落ちてきます(写真上は6月中旬撮影ですが、まだ稈から剥がれていません)。
笠の骨組みに竹の皮を当て、表裏から竹ひごで皮を挟んで外側から中央に向かい木綿糸で2cm程の間隔で縫っていきます。
実はこの日行っている二人は、「針に糸を通すのが一番大変(笑!)」とのことで、下総・安房の職員で最も若いIさんに糸通しを手伝ってもらいました。
皮は幅が広く長いものが良いのですが、竹の稈に付くものですから、太い根元に近い幅広は短く、長いものは竹が細くなっている部分のため幅が狭いということになり、結局計13~15枚の皮を要しました。(フ)
0 件のコメント:
コメントを投稿