チガヤはイネ科の植物で日当たりのよいところに生えているので、よく目立つ植物です。当館のものは白い花穂が終わりに近く、ふわふわとした綿のようですが、もう少し前や道すがらに見えるチガヤは、風のある日は風になびいて輝き、無風のときは白い穂があたかも筆が立っているかのように見えます。
このチガヤ、庭などに出てくると1本のみ引き抜いても、地下で茎がつながっているので抜けきれない非常に厄介な植物で、世界最強の雑草とも言われているそうです。
房総のむらではこのチガヤを材料にして雨具としての「蓑」を作っています。蓑1着を作るのに、おそらく2500~3000本程要するのではないか思います。
上段の写真は、北側の水田付近のチガヤで、周囲には、同じく蓑作りに必要なクゴと同居しています。下段は蓑の裏側の写真で、葉の中央の芯(葉脈)を取り除いたチガヤを6~8本の束としてクゴの網に編み込んだものです。
因みに、子どもの時に葉に包まれている頃の穂を取り出して、食べたことがあります。当時、私が住んでいた茨城県北部ではツバナと呼んでいました。口に含み、噛んでいるとわずかに甘味がしたような記憶があります。甘い物に飢えていた昭和の話です(笑)。(フ)
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