2023年5月28日日曜日

職人の技!

 今日は、まさに房総のむらならではの、職人の伝統的技術が堪能できる一日でした。

商家街並みの紙の店では林勇介先生による、浮世絵の擦りの実演。葛飾北斎の富嶽三十六景 上総海路を8枚の版を使って、11工程の色を重ねて、擦ってゆきます。詳細な線の版や色のぼかしがある版などを重ねてゆき、1枚の浮世絵が出来上がってゆきます。

富嶽三十六景 上総海路

先生は簡単そうに版木の上に、絵を置いてゆきますが、まったくずれずに色が重なってゆきます。

午後の体験演目では先生の指導の下、絵のつづきを、体験者が擦って、浮世絵を完成させます。


畳の店では、米井仁先生による畳作りの実演。畳床に九州産のイグサで編まれた畳表を貼ってゆきます。手のひらや肘には、厚い畳床に糸を通すため、補強する道具をつけています。小気味よく畳ができてゆく過程は、見ていて飽きないのですが、どのくらいの力がかかっているのかは見当もつきません。

この畳は、お茶の店の一階に使われます。出来栄えをご覧ください。


木工所では、岩舘和己先生により、予約体験演目、下駄の鼻緒すげが行われていました。桐の下駄に自分で選んだ鼻緒をすげます。下駄をトクサを紙やすりの代わりに使って角を採った後、砥の粉を縫り、イボタ蝋をこすりつけて、カルカヤの根でつくった「うづくり」という道具で木目を磨きます。鼻緒すげのための結び方の練習のあと、自分で選んだ鼻緒をすげます。


完成品
2時間の体験ですが、先生の穏やかですが楽しいお話とともに時間が過ぎてゆきます。(ひ)


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