二十四節気「啓蟄」の次候は、「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」です。”蝶”の季節にはまだ少し早いと思っていたのですが、「旧御子神家住宅」で”サンシュユ”を見ている時に、”ひらひら”と落ちてきた黒いものが地面に着くと真ん中で割れて中から”水色の線”が鮮やか見えました。”ルリタテハ”です。でも、やっぱり「菜虫化蝶」には早いと思ったので、「房総のむら」の”虫の観察会”でもお世話になっている「千葉県昆虫談話会」さんに確認したところ、”ルリタテハ”は”成虫で越冬”するとのことで、納得しました。今年初の”てふてふ(ちょうちょう)”でした。”ルリタテハ”を撮影した翌日はさらに暖かい日で、”アカタテハ”のほか”キチョウ”か”モンキチョウ”かわかりませんでしたが淡黄色の蝶なども確認できました。暖かい陽気に誘われて”蝶”も活動を始めたようで、「房総のむら」にも”春が来た”ようです。
「房総のむら」に隣接する「ドラムの里」の”河津桜”の花は2月から咲き始めていますが、ここ数日でかなり開いてきています。大きな幅広の”花びら”が隣の”花びら”と重なり合っています(写真:上左)。暖かい日には、桜の木の下にシートを広げる方もいらっしゃいます(写真:下右 )。まだ、寒い日もありますが、着実に春の足音が聞こえてきました。「房総のむら」の”桜の開花状況”の詳細は、「房総のむら」HPの「さくら情報」をご覧ください。
「武家屋敷」隣の”梅林の梅””です。これまで紹介できなかった梅が咲き出しました。一本の木に”白い花”と”赤い花”が咲きます。ほとんどが”白い花”の中に枝単位で”赤い花”が咲いています(写真:上左)が、中には”白”と”赤”の花が交互に咲いたり(写真:中左)、一枝だけ”赤い花”だったり(写真:中中央)、また一輪だけ”赤い花”が咲いたりしています(写真:中右)。そして、一つの花で何枚かの花弁だけが”赤い””白赤の花”もあります(写真:下)。面白い梅の花です。
「房総のむら」の”水仙”です。「下総の農家」の水田ある斜面の”セイヨウズイセン”も、かなり咲いてきました(写真:上左)。「安房の農家」の八重咲きの”ニホンズイセン”も盛りを迎えています(写真:上右)。「おまつり広場」横の「茶店」から続く園路の”セイヨウズイセン”です(写真:下段)。”水仙”からも、ほんのりと甘い香りがします。
「旧御子神家住宅」の”サンシュユ”の花です(写真:上左)。住宅の外には”アセビ”も咲いています(写真:上右)。”ロウバイ”が終わった「風土記の丘 資料館」の近くには”トサミズキ”が咲き出しました(写真:中左)。「武家屋敷」の梅林近くの園路の”トサミズキ”には花の横に実もぶら下がったままです(写真:中中央)。「下総の農家」では、”シュンラン”も咲いています(写真:下右)。”トサミズキ”は、「安房の農家」でも咲いています。”フキノトウ”は、やはり春を感じるのでのせました。「大寒 款冬華(ふきのはなさく)1月20日~」で蕾を確認してから2か月ほどたち、花も咲き大きくなってきました。”雌花”でしょうか。”フキノトウ”は、やはり春を感じるのでのせました(写真:下)。
二十四節気「雨水」七十二候「霞始靆」で、香取郡多古町の「女おびしゃ」を紹介しましたが、これは「安房地方」の”おびしゃ”の事例です。南房総市旧三芳村山名地区で行われる、”モチビヤリ”の食事を再現しています。”ヒヤリ”とは”日遣り”のことで、村の人たちが集まって飲食して時を過ごすことのようです。本格的な農作業が始まる前に地区の人々が集まって、その年の様々な取り決めをした後で、皆で飲み食いをするそうです。
「商家の町並み」「菓子の店」では「牡丹餅(ぼたもち)」作りの体験です。お菓子作りの指導者は、いつもの八日市場市「鶴泉堂」の「大川功修」さんです。”牡丹餅”と”御萩(おはぎ)”の違いについては、春は”牡丹餅”、秋は”御萩”とか、”こし餡”と”つぶ餡”の違いとか諸説があるそうですが定説はないそうです。今回は、普通の”牡丹餅”のほかに、”きな粉”でくるんだ餅(”空也餅”と呼ぶ地域もあるそうです)と、”白ゴマ”で包んだ餅の三種類をつくっていただきました。”餡”の”牡丹餅”は、半つぶしにした餅米を”こし餡”で包みます(写真:下右下)。”きな粉”の餅は、”つぶ餡”を餅米の真ん中に入れます(写真:下右中)。白ゴマの餅は、”白い小豆”の”つぶ餡”を入れています(写真:下右上)。”白い小豆”は、あまり流通していないものだそうで、食べるとあっさりした感じでした。なお、お菓子屋さんでは、「小豆」は”アズキ”とは読まないで”ショウズ”と読むのだそうです。「大川」さんには、今回もいろいろ教えていただきました。体験者の皆さん、上手に”牡丹餅”ができましたか。「房総のむら」で学んで、ご自宅で実践ですね。お彼岸には、是非ご自分で”牡丹餅”を作ってください。
「商家の町並み」「紙の店」の「紙漉き」です。「紙の原料作り」は、大寒(二十四節気)鶏始乳(七十二候)で紹介しました。今回は、その”楮の皮から作った和紙の原料”を使って「紙漉き」体験です。原料の入った”水槽(フネ)”から”竹簾”を挟んだ”木枠”で原料の水を汲み、”竹簾”に紙の原料を付着させ、不要な水を捨てるという一連の作業を繰り返して紙の繊維の層を厚くしていきます(写真:上左)。まず、ひと汲み目はすぐに流して”竹簾”の上に薄い繊維の層(紙の表面)を作ります。その後は、原料の水を汲み入れ、波をたてるように揺すり、繊維が絡み合いながら”竹簾”の上に乗るようにして丈夫な紙にしていきます。紙の厚さは、”竹簾”の透け具合で判断し、適当な暑さになったら水を払います(写真:上右)。この後、”木枠”から”竹簾”を外し、”竹簾”にできた”和紙”を剥がして乾燥させれば完成です。試しに”木枠”の半分に和紙の原料が乗らないようにして漉いてもらった様子を見ると、粘り気のある紙の繊維が絡み合って薄い層そうになっていることがわかると思います(写真:下右)。
このように、紙の繊維がうまく漉けるのは、”トロロアオイ”の根から溶け出した粘り気のある液体が、紙の繊維を沈むのを防いで水槽の中に浮遊させているからなんです。写真の花を覚えていますか、写真は、9月9日に「紙の店」の前で撮影したものです。この花が咲いている木が、”トロロアオイ”です。
「紙漉き」の体験では、”はがき”(写真:左)や”半紙”(写真:右)サイズの”和紙”を作ります。”はがきサイズ”の和紙では、4月7日・8日の「さくらまつり」の「紙の店」の体験「桜色の葉書作り」の試作品を漉いていました(写真:下左)。葉書ですから、”少し厚手”で”桜色”に淡いピンク色の和紙です。普通の和紙は真っ白というよりは少しくすんだ感じの色になりますが、”半紙サイズ”も”遊び”で原料の中に細かな”楮の皮”をいれて漉きました(写真:下右)。ちょっと民芸調ですかね。こんなことができるのも、”手漉き和紙”ならではのことですね。是非、ご自分で”和紙”を漉いてみてください。
「風土記の丘」の「ミニチュア土器・土偶作り」です。1か月ほど前に形を作り文様をつけて乾燥させておいた土器を、”野焼き”しました。発掘調査で出土する本物の土器と比べると小さ目の土器や土偶を作って、”窯”ではなく当時のように焚火を大きくしたような”野焼き”で焼きました。なかなか上手に出来上がったようです。でも、中には焼いている最中に割れたものもありました。”陶芸”では粘土の中の空気を出すことが重要ですが、こちらも同じようですね。火の中から取り出してもかなり温度が上がっていますので、土器の温度が下がるまでそのままにしておきます。その間、火の中に入れてあった”サツマイモ”を食べながら待ちました。”陶芸”で作るものとは違った、趣のある”焼き物”が出来上がりました。
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