2013年7月7日日曜日

第2回考古学講座「古代の星信仰−上総国の北斗七星の聖地を中心に-」を開催しました


西野雅人講師(千葉県教育庁文化財課)による古代の星信仰の講演がおこなわれました.市原市稲荷台遺跡の古墳がつくられてから数百年後の平安時代に,古墳を取捨選択して北斗七星の形を現出しました.北斗七星の“裏返しの形”(天にある星が地面に降りたと考えた形)です.北斗七星古墳の上では,灯明皿が多く発見されており,夜間に灯火をともす祭りをおこなっていたと思われます.古墳近くの大規模な建物跡からは,何度も行われた焚き火の跡や,“月月月”と9.5文字重ね書きした土器が発見されています.
 また,天皇家の離宮のみで使用された緑釉陶器が多く破壊されて捨てられていました.水を入れた陶器を水鏡として星を写したものと演者は推測しています.文献によれば,都から陰陽寮の役人が上総の国まで来ており,天皇家に関係する北斗七星の祭りだった可能性が考えられます.七夕の日にふさわしい,興味深い講演でした(ori).

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